今回は、アフリカで目を離せない農業ビジネスを紹介します。
どんな企業?
アグロサプライ(Agro Supply)は、銀行口座を持たないウガンダの零細農家を対象とした投資サービスとして、古くからあるレイ・アウェイ・モデルをこれまでにない方法で応用しています。
創業者兼CEOはOgwal Josephさんです。
企業情報は下記を参照ください!
Agro Supply:https://agrosupplyltd.com/
今回の記事では、アグロサプライ(Agro Supply)の仕組みと、なぜうまくいくのかを説明します。
農家の課題
農家は、200$を持っていたとしたら、どうするでしょうか?
農業投入に使用しますよね。
しかし、3,4ヶ月後には、農業投入に使うお金がなくなってしまいます。
ソリューション
そこで、アグロサプライが可能にしたのは、簡単にいうとプリペイドシステムを活用した、農業技術への融資です。
シーズンに向けて事前に計画し、小規模な支払いから始めさせて農業投入を行います。
そうすることで、農業のシーズンが来たときに、取り置いたお金を使って農業投入できるようにしています。
つまり、モバイル・マイクロ貯金を通じた農業技術への融資を行っています。
アグロサプライは、USSDコード(ダイヤル番号:28443#)とスクラッチカード、モバイルマネーを活用した取り置きシステムを開発し、農民による農業投入資材の貯蓄を可能にしたのです。
この小規模農家のための貯蓄ツールを立ち上げるまで 取り置きモデルは下記の通りです。
アグロサプライのスクラッチカードをアグロサプライの代理店から1ドルから購入するか、
モバイルマネーを使ってデジタル決済することで、いつでも少額の現金を貯めることができます。
やり方としては、農家が自分の携帯電話、またはアグロサプライの代理店の携帯電話にコードを入力し、自分の口座に投資額を登録するだけです。支払いが完了すると、種子や肥料が配達されます。
農家は、有機肥料やソーラー灌漑システムなど、その他の投入資材の購入資金も貯めることができます。
アグロサプライはフィールドエージェントを通じて、登録農家に対して植え付けシーズン前に現地でトレーニングを実施しています。
また、農学に関するメッセージを農家の携帯電話に直接送信するデジタル普及トレーニングシステムを設計し、音声自動応答(IVR)も開発中だそうです。
Mastercardの試算によると、サハラ以南のアフリカ、ラテンアメリカ、南・東南アジアの小作農に必要な2000億ドル以上の資金のうち、非公式および公式な金融機関による融資は、現在たった500億ドルにしか達していません。
必要な資金が十分に活用されていないことが分かるかと思います。
そこで、農家が自分で自分の農業に投資して、長期的に持続可能な農業を作っているのが、アグロサプライです。
農家が自分の農場に投資する力をつけることは、貧困から抜け出す道であり、より大きな食料安全保障に向けた環境に優しい道であり、アフリカの農業を支えている女性農家を支援する道になり得るのです。