実はスマホが売れている
貧しい人が多いのも事実ですが、必要なものであれば、大きなスケールになる可能性がある市場なのです。実際、近年はスマホが、世界で最も売れる地域になっています。年間1億台以上が売れ。中国よりも、インドよりも、アフリカのほうが売れているのです。
しかも、スマホ普及率はケニアで6割ほど、ルワンダで3割ほどです。
これから2~3年ほどで、ガラケーがスマホにほぼ切り替わっていくでしょう。
ケニアでは、SIMベースでケータイ普及率はなんと113%(2019年)です。
日本は137%で、これは2台持ちの人がいるからですが、実はケニアにもガラケーとスマホの両持ちや、複数キャリアを使っている人が大勢います。
通話はA社、データはB社など、安いほうで使い分けているのです。
プリペイドで使う分だけチャージ
プリペイドですから、基本料金がないんです。使う分だけチャージしておけばいいのです。そして、このプリペイドケータイのおかげで、ブレイクしたのが後にモバイルマネーサービス(チャージした通話料を人に送れる/決済できる)Mペサです。
日本の通信料金のように後払いだと、使いすぎることがありますが、プリペイドだとチャージ分を超えると使えなくなるため、使いすぎることはないのです。
Mペサに関する詳しい記事はこちらからチェックしてみてください!
なぜサバンナにもアンテナが立つのか
そして有線電話もないのに一気にケータイが広がった理由の1つは、有線よりも携帯基地局の方が、敷設コストも安く一気に拡大できることです。
さらに、基地局の敷設を、中国メーカーに委託したことも早期に広がった理由の1つのようです。
日本ではキャリアが主体となって基地局を敷設しますが、アフリカでは中国のファーウェイやZTEなど、基地局メーカーに丸投げして敷設することが多いのです。
携帯事業を運営するのは現地の通信キャリアですが、基地局の敷設に丸投げする。だから、速いのです
しかも、需要は莫大ですから、基地局メーカーには大きなチャンスです。
アフリカで基地局設立を担当する中国人の方は、1週間、ホテルにも泊まらず、すべてテントで寝泊まりするそうです。地方に行くとホテルがないからです。
日本の昭和の商社マンが鞄ひとつで世界を飛び回っていたような働き方を、今やファーウェイやZTEの若い社員がやっているのです。だから、どんなサバンナでも、ほぼ電波がつながるのです。
また、プリペイド携帯のインフラはシステム投資が安価なのも特徴です。例えばルワンダに行ってローカルのSIMに差し替えるとします。すると5ギガ30日で900円(2020年末時点)ほどと、安く利用できて、とても便利です。
参考:「超加速経済アフリカ」椿進
まとめ
HUAWEIやZTEなど基地局メーカーが力を入れて基地局設立を進めているため、基地局の設立が進んでいることがわかります。
HUAWEIの技術とアフリカに関する記事はこちら