アフリカのEC事情

アフリカは中国やインドに続く第三の成長市場と言われていますが、その名前の通り、さまざまなテクノロジーの発達が直近10年で見られています。

今回はアフリカのECコマースの現状についてご紹介します。

これからアフリカでのビジネスを考えている方の参考になればと思います。

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アフリカ市場において、コロナ禍を機にECコマースの客単価が減少

アフリカのEC市場は、アジアや新興市場を比較すると、アフリカのEC市場はコロナ禍で落ちこみました。

新型コロナ禍によって在宅需要が増えたため、2020年度第1〜3四半期にかけて、ラテンアメリカのEC大手「メルカドリブレ(Mercadolibre)」の売上高は前年比37.64%、61%、85%伸びており、

東南アジアのEC大手「Sea limited」は前年比で103%、102%、99%伸びています。

しかし、経済が立ち遅れているアフリカでは、コロナ禍であってもそうはなりませんでした。

2020年、アフリカ人の約1/3の1日あたりの所得は1.9ドル(約200円)未満だったため、ジュミア(Jumia)での客単価が19%も下がることになりました。

コロナ禍で職を失い困窮した消費者は、安いものしか買えなくなったのです。

明るい材料として挙げられるのが、Jumiaの月間アクティブユーザー数が680万に増えたこと、そして販促キャンペーンを減らしたことで、コストを抑制できたことです。

コスト抑制の効果はGMVに対するEBITDAの比率から見て取れる。2020年第4四半期と前年第4四半期のEBITDAはともに赤字だったが、GMVに対する比率は17%から12.24%に改善した。Jumiaの財務状況は好転しているといえる。

アフリカにおけるEC業界の未来も依然として明るい。調査会社「Statist」の試算によると、2020年のアフリカ全体のEC市場のGMVは184億ドル(約2兆円)で、2024年には347億ドル(約3兆6000億円)に成長する。年平均成長率は17.1%だ。ECの浸透率は2020年の24%から2024年に37.1%になり、東南アジアの43.5%、南米の46.8%と比べると、まだ成長の余地を大きく残している。

アフリカ最大 ECサイト Jumiaが展開するサービス

主要なポータルとしては、Kaymu、Lamudi、JovagoやHellofoodが挙げられ、これらは全てJumiaが運営会社です。

アフリカ市場において、特に成長率が高いナイジェリアのeコマース企業Jumiaの傘下にあるのが、Kaymu、Lamudi、Jovago、Hellofood、Gurisha、BeautyOfRwanda.com、Carisoko、Ntuma、BeautyOfRwanda.com、Carisoko、Ntumaなどです。

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EC事業においてアフリカとのパートナーは中国とUAE

中国とアラブ首長国連邦が主な電子商取引のパートナーです。

中国は特に、アフリカのビジネスにおける最大の投資家でもあるので、EC事業における事業内連携がスムーズに進むのでしょう。

オンラインでの注文は通常アリババとアリエクスプレスを通じて行われます。

決済方法はアフリカの地域によって異なる

支払い方法は、Western Union、MoneyGram、HubShilが一般的です。ルワンダではWhatsApp、Twitter、Facebook、LinkedInなどのソーシャルメディアが広く利用されている。新興企業や中小企業の多くは、フェイスブックやその他のソーシャルメディアを広告に利用している。IWSによると、ルワンダのフェイスブックユーザーは50万人を超えている。

また、Jumiaの場合「Jumia pay」という名称の決済サービスを運営しており、2020年第4四半期の決済額は前年比10%増の2700万ユーロ(約35億円)だった。

現在のアフリカでは、ケニア、ガーナのようにモバイル決済が普及した国もあれば、ナイジェリア、エジプト、エチオピアのようにECでの購入でも現金での代引きが主流という国もあります。

Jumiaの決済事業の売上高はアフリカ市場全体からすれば高いとは言えず、普及を強力に推し進めるさらなる施策が必要なのです。

アフリカではインターネットの普及によって、ECを含めた市場全体が成長を続けることは間違いありません。

具体的な地図がない場所がある

筆者がアフリカのさまざまな地域出身の友人に聞いた話ですが、ルワンダやトーゴなど農村部には住所のない地域が存在します。

そのため、ECビジネスにおいて住所登録や荷物預かりサービスなどの導入が必要になります。


EC市場はアフリカでビジネスをする挑戦市場として向いているのか?

商習慣による住所管理、決済方法を整えれば、可能な市場である

住所の管理方法や決済方法を地域ごとの特徴に合わせて変更できれば、EC市場はアフリカでも今後伸び続ける市場でしょう。

今後もEC市場のマーケット特性や企業ごとのシェアなどを共有していきますので、ぜひチェックしてみてください。

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