【傑作】ブラック・パンサーに影響を与えた現実のアフリカ文化〜前編〜

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ワカンダに登場するさまざまなアフリカ

ブラックパンサーに登場する国・ワカンダは、アフリカのさまざまな国や地域の影響を受けています。

ブラックパンサーとは


『ブラックパンサー』とその続編『ワカンダ・フォーエバー』は、文化的に大きな影響を与える映画であることは間違いないでしょう。

この映画はマーベル作品の工業収益ランキングでなんと3位を達成しています。

マーベルの工業収益ランキング1位は2019年4月の「アベンジャーズ:エンドゲーム」、2位は2018年2月「スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム」で、その次に続くのが「ブラック・パンサー」です。なんと粗利は$700,059,566だそうです。

この成功の秘訣は、単にスリリングなマーベルのスーパーヒーロー映画というだけでなく、物語の中に「黒人の繁栄」を物語り、アフリカの国が世界で最も豊かになる世界を描いている点がある。

最後にブラックパンサーたちが国連に参加するシーンで、アフリカの誇らしい未来について楽観的に観客に垣間見せていました。

この作品は、主役は黒人、監督は黒人、キャストは大半が黒人であり、世界中の映画ファンを刺激し、単純な表現を超えて、アフリカの核心をついた物語を提示したのです。

今回は、ワカンダに登場する高層ビルの集まったゴールデンシティや多様な部族集団、驚くほど細かい衣装など、アフリカ文化からどのようなインスピレーションを受けて映画を制作しているのかについて探っていきます。

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アフリカが繁栄する未来とは!?

映画に登場する国・ワカンダはアフリカの中に存在する国として描かれており、世界中の人々から貧乏な国だと思われています。実際に映画でもThe third word「第三世界」と国連で呼ばれていました。

実際に世界の歴史を遡ると、アフリカ地域は欧米列強によって、第三世界化されてきたのです。

こういった奴隷貿易→植民地主義→構造的人種差別→構造的経済搾取と何世紀もの闘争が続く中、「アフリカが未来で繁栄する」という願いをアフリカ社会では皆が持つようになります。

この動きは「アフロフューチャリズム(Afrofuturism)」と呼ばれます。この運動は希望と繁栄のためのポジティブな物語を作ることを目指しています。

これまで、白人によって支配されてきた背景がある黒人の歴史において、白人社会のテクノロジーや産業を超え、アフリカが世界を牽引する存在になる未来はアフリカにとっての希望なのです。

私たちが自分自身や自分のアイデンティティをどのように認識しているかは、映画やテレビなどのメディアに起因しているため、人種差別的なステレオタイプや抑圧を超えて、黒人によるキャラクターや黒人がリードする世界を印象付けることは非常に重要だと思います。

アメリカでもウガンダでも、若い黒人の子供たちは、ハリウッドの国際的なヒット作の中で、自分たちが繁栄し、誇りと力を持つという文脈で表現されているのをようやく目にすることができたのです。

アフリカの文化が混ざっているってホント!?

ブラック・パンサーの映画内では、非常に多くのアフリカ文化が描かれています。

地域や部族ごとの特徴、を服装や小物、話し方などで表しています。

アフリカは大きな大陸で54カ国の

レソト・毛布マント

ワカンダの国境を守っていた戦士たちが着ていた服装である、肩から毛布のマントはレソトにいる部族ボソトの人々を表している。

最も格式が高いのは、「族長の誓い」を意味するシーナマレナに見られるトウモロコシの穂軸です。

映画では、国境部族が着る毛布のマントには、ワカンダの象徴と技術により、マントは盾に変身し、農民から戦士へと変身するのです。

映画では、国境部族はワカンダを隠す山中で、簡素な村に住んでいます。映画の中で、国境部族のなだらかな緑の風景は、レソトの風景にとてもよく似ています。

さらに、国境部族はバソト族と同じように熟練した騎手ですが、映画では馬ではなく鎧を着けたサイに乗っていることは本当のレソトの現状とは異なるようです。

レソトの毛布マントを着る人々

ナイジェリア Ejagham(エジャガム)

映画のシーンの中で、ティ・チャラの玉座の部屋の壁には「ワカンダ」という文字が刻まれています。

しかし、実際には、現代のナイジェリア南東部クロスリバーに起源を持つNsibidiからインスピレーションを得た脚本だそうです。

今のところ発見されているNsibidiのシンボルは数百にのぼりますが、さらに多くのシンボルが存在する可能性があります。

ナイジェリアの南東部ではまだこの文字がまばらに使われていますが、植民地化、特に教育と宗教によってその使用は激減している状態です。

南アフリカ Ndebele(ンデベレ)

参考:https://time.com/5171219/black-panther-women-true-history/

女性戦士であるドラ・ミラージュの首には、南アフリカ共和国のヌデベレ族に伝わる金の輪がつけられています。

南アフリカでは最近、この指輪がファッションとして流行しているのですが、既婚のンデベレ族の女性だけが身につけることができます。

伝統的には、夫が妻のために家を建てたら、この金の輪を用意することになっています。夫が裕福であればあるほど、女性はより多くの指輪を持つことになります。

今日でも、ンデベレ文化の美学は、南アフリカの文化として、一目でそれとわかるものの一つです。

複雑なビーズ細工とともに、ヌデベレ族の女性は南アフリカ東部に点在する大胆でカラフルな壁画でも知られており、ワカンダのダウンタウンの壁の一部にも描かれているようです。

参照:https://www.exploring-africa.com/en/zimbabwe/ndebele/ndebele-people

ナミビア ovaHimba(オヴァヒンバ)

参照:https://www.skratch.world/post/black-panther-the-african-cultures-that-inspired-wakanda


ワカンダの長老のうちの一人は、オヴァヒンバの女性特有の髪を結っている。

バター、脂肪、赤黄土、ハーブの香りをつけたotjize(オティゼ)ペーストで作られたオヴァヒンバの女性は、髪を編んだりねじったりして太い髪を作り、毛先を膨らませています。

ナミビア北部の厳しい砂漠地帯に住むオヴァヒンバは、赤茶色のオッジーズ・ペーストで肌を保護することもあります。

ナミビアを紹介するガイドブックや観光サイトには必ずと言っていいほど、この民族の赤い肌の写真が掲載されています。オバヒンバは比較的隔離された場所に住んでいると考えられているが、観光とグローバリゼーションが彼らを砂漠に追いやったのである。

髪を結って体にオッジーズ・ペーストを塗り肌を守るオヴァヒンバの人々

南アフリカ Zulu(ズールー)

ラモンダ女王 参考:マーベル公式 https://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther/character/ramonda

ティ・チャラの母親であり、女王でもあるラモンダが頭に身につけていた大きな円盤状の衣装は、南アフリカのズールー族の文化です。

この帽子は衣装はイシコロと呼ばれており、既婚女性がかぶるものです。

伝統的には草の葉に綿を織り込んだ形をしており、大きさや色は氏族によって異なり、直径が1メートルに達することもあるそうです。

今回のブラック・パンサーのラモンダが身につけているイシコロは3Dプリントによるものだそうです。

ズールー族の女性と子供

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ブラック・パンサーが描くワカンダ国とその人々はアフリカの伝統を多く受け継いでいるため、登場するキャスト1人1人やシーン、言葉に非常に細かな配慮をして映画が作られています。

すでに映画を観た方も、実際のアフリカの文化に注目しながら再度見ていただけますと幸いです!

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