【予測】アフリカにおける2023年スタートアップのゆくえ

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アフリカのスタートアップを率いるフィンテック

フィンテックは、アフリカのテクノロジー領域において最もアフリカ市場を牽引しているマーケットです。

2020年には、すでにナイジェリアには200社以上のフィンテック企業が存在し、アフリカ全土のテクノロジー領域において資金調達の総シェアの50%を占めていたのはフィンテック系スタートアップでした。さらに、マッキンゼーのレポートによると、2014年から2019年の間にナイジェリアのフィンテック系スタートアップは、6億ドル以上の資金を調達しています。

確かに、記録的な資金調達を達成しており、銀行口座を持たないデジタルに精通した若年層向けに金融サービスを提供するナイジェリアのスタートアップは数多く存在しています。しかし、フィンテック領域は若く、規模や成長に関して長い道のりがあるのは確かです。

株式会社TeamAptの代表であるTosin Eniolorunda氏は、「2022年はほぼすべての産業セクターにとって世界的な逆風の年であり、フィンテックも例外ではありませんでした」と述べています。

スタートアップ企業は、VC活動の鈍化を経験し、評価額の低下VC資金の減少の両方をもたらしました。

【経済不況】やむを得ない人員削減と事業停止

外部からの資金調達がない中、多くの創業者やフィンテックのリーダーたちは、戦略の見直しやコスト削減によって事業の効率化を図ることを選択せざるを得ませんでした。こうして人員削減を最悪の場合は事業の停止を余儀なくされることもありました。

人員削減は、ナイジェリアの急成長するスタートアップ全体で起きています。2021年に世界全体の不況によりテクノロジー企業が次々に人員削減を実施してきたことからも明確ですが、TwitterやFacebook、Salesforceなどを含め多くのアメリカテック企業も人員削減を余儀なくされています。長期的なコロナ、ロシア・ウクライナの戦争、アメリカのロシアへの石油の経済停止など多くの要因によって、世界中で経済大不況が起きているのが事実です。

ナイジェリアの食品調達スタートアップであるVendeaseでは従業員の9%を解雇し、ナイジェリアの暗号交換スタートアップであるQuidaxは11月に従業員の20%を解雇する形となった。今後は、より多くのスタートアップが「より少ない人数で今まで以上の効率を担保してより多くのことを行う」アプローチを採用すると予測されています。

2021年〜2022年初めに話題となった「あらゆるコストで成長する」という考え方と比較すると、『収益性』と『単位経済』は今や世界中の投資家の優先リストのトップになっているようです。

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【新たな機会】デジタル化が求められる中小企業

しかし、2023年のナイジェリアにおけるスタートアップは、ネガティブなニュースだけではありません。

2022年に事業運営をデジタル化した中小企業の数が増加しているのも事実です。

スマートフォンを購入するエンドユーザーが増え、キャッシュレス決済への対応が求められるようになり、中小企業は早急にデジタル化を進めるべき状況に至っています。そのため、商店や企業向けに業務用製品を構築するというBtoBに特化したビジネスが、スタートアップでは注目されています。   

中小企業は、デジタル化から取り残されている傾向にあるため、いまだに大きなマーケットです。フィンテック企業は、決済から経営管理ツールまで、中小企業のデジタル化のバリューチェーン全体をフォローする傾向があります。

2023年に向けてた予測

アフリカのテック企業は2021年、多くの経営困難に見舞われました。

VCは投資を行うにあたって、投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査により一層時間をかけることが予想され、投資までのタイムラインは長くなると考えられます企業価値は、単位あたりの経済性など企業の「経済の基礎的条件」に依存し、ビジネスモデルが実証された質の高い取引に焦点が当てられるでしょう。

*経済の基礎条件…売上高や利益といった業績や資産、負債などの財務状況

①大企業と小規模企業の連携

2023年には大規模なフィンテック企業が小規模なフィンテック新興企業と提携すると予測されています。ナイジェリアのフィンテック企業は、戦略的パートナーシップや買収に対してポジティブに捉えている傾向が背景にあります。

銀行とのコラボレーションという形で、フィンテックの領域で統合が始まり、また大規模なフィンテックが小規模なものと戦略的パートナーシップを形成するようになるでしょう。

カスタマーエクスペリエンスの向上

アプリやデジタルプラットフォームに不正検出ツールを導入し、検証技術を使用することで、顧客体験を強化することを訴えています。フィンテックは、今後数ヶ月、数年の間、あらゆる不正行為から顧客を守り続けるために、顧客体験に焦点を当てることです。

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