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2022年8月

  • 2022年8月23日

アフリカのEC事情

アフリカは中国やインドに続く第三の成長市場と言われていますが、その名前の通り、さまざまなテクノロジーの発達が直近10年で見られています。 今回はアフリカのECコマースの現状についてご紹介します。 これからアフリカでのビジネスを考えている方の参考になればと思います。 アフリカ市場において、コロナ禍を機にECコマースの客単価が減少 アフリカのEC市場は、アジアや新興市場を比較すると、アフリカのEC市場はコロナ禍で落ちこみました。 新型コロナ禍によって在宅需要が増えたため、2020年度第1〜3四半期にかけて、ラテンアメリカのEC大手「メルカドリブレ(Mercadolibre)」の売上高は前年比37.64%、61%、85%伸びており、 東南アジアのEC大手「Sea limited」は前年比で103%、102%、99%伸びています。 しかし、経済が立ち遅れているアフリカでは、コロナ禍であってもそうはなりませんでした。 2020年、アフリカ人の約1/3の1日あたりの所得は1.9ドル(約200円)未満だったため、ジュミア(Jumia)での客単価が19%も下がることになりました。 コロナ禍で職を失い困窮した消費者は、安いものしか買えなくなったのです。 明るい材料として挙げられるのが、Jumiaの月間アクティブユーザー数が680万に増えたこと、そして販促キャンペーンを減らしたことで、コストを抑制できたことです。 コスト抑制の効果はGMVに対するEBITDAの比率から見て取れる。2020年第4四半期と前年第4四半期のEBITDAはともに赤字だったが、GMVに対する比率は17%から12.24%に改善した。Jumiaの財務状況は好転しているといえる。 アフリカにおけるEC業界の未来も依然として明るい。調査会社「Statist」の試算によると、2020年のアフリカ全体のEC市場のGMVは184億ドル(約2兆円)で、2024年には347億ドル(約3兆6000億円)に成長する。年平均成長率は17.1%だ。ECの浸透率は2020年の24%から2024年に37.1%になり、東南アジアの43.5%、南米の46.8%と比べると、まだ成長の余地を大きく残している。 アフリカ最大 ECサイト Jumiaが展開するサービス 主要なポータルとしては、Kaymu、Lamudi、JovagoやHellofoodが挙げられ、これらは全てJumiaが運営会社です。 アフリカ市場において、特に成長率が高いナイジェリアのeコマース企業Jumiaの傘下にあるのが、Kaymu、Lamudi、Jovago、Hellofood、Gurisha、BeautyOfRwanda.com、Carisoko、Ntuma、BeautyOfRwanda.com、Carisoko、Ntumaなどです。 EC事業においてアフリカとのパートナーは中国とUAE 中国とアラブ首長国連邦が主な電子商取引のパートナーです。 […]

  • 2022年8月15日

なぜ今アフリカのビジネスが注目されているのか?

アフリカのビジネスに対して、世界中の投資家や起業家から注目が集まっているのは、なぜなのでしょうか? 今回はアフリカでビジネスが注目されている秘訣についてご紹介します。 目次 人口的視点 人口構造的視点 面積的視点 気候的視点 人口的視点 アフリカがビジネスの機会として注目されている理由の1つに、人口の多さがあります。 国連が11日発表した世界人口推計では、経済発展を遂げてきた中国など東・東南アジア地域の人口が2030年代半ばに減少に転じると予測しました。 今後台頭するのはアフリカで、50年には世界人口の3割に達し、豊富な若年人口を労働力に生かせれば世界経済を牽引することも考えられます。 人口構造的視点 アフリカがビジネス機会として注目される背景には、人口の多さだけでなく、人口構造にもあります。 ワシントンDCを本拠とするシンクタンク、ブルッキングス研究所が2013年に行った調査によると、アフリカでは若者(15-24歳)が労働力人口全体のおよそ37%を占めているそうです。 ケニアのアダン・モハメド産業化・企業開発長官は、若者の起業家が増えることで国にもたらす効果について下記のように述べています。 「成功が成功を生むのです。多くの起業家が成果を上げれば、これに加わる者も増えてきます。テクノロジーを基盤とする発明も、起業家を引きつける要素となります。考え方に変化が見られ、自分自身を雇用主と考える若者も多くなってきました。アフリカの多くの国々では、政府が金融と市場へのアクセスという機会をつくり出しているのです」 面積的視点 アフリカの面積は30,370,000 km²と世界の22%を占めています。 その東西はなんと7400km,南北は8000kmにも及びます。 […]

  • 2022年8月12日

「世界システム論」から見るアフリカ Ver.1

提唱者「エマニュエル・ウォーラステイン」 エマニュエル・ウォーラステインは、アメリカの社会学者・経済史者で巨視的な観点から世界の歴史と社会全体を「単一のシステム」と捉える「世界システム論」を提唱・確立したことで知られています。 世界システム論とは 世界の歴史や社会全体を「単一のシステム」と捉える 世界史システム論とは、世界の歴史や社会全体を「単一のシステム」と捉えたものです。 これまで、歴史は時代や地域によって切り分けて考えてこられましたが、ウォーラステインは、世界中で起こる問題や時代を超えて起こる世界の動き方の特徴はある1つのシステムにまとめられると述べています。 地域や時代に関係なく、この世界システム論に従って、近代世界は動いているというのです。 「中核」「半周辺」「周辺」という3階層からなるグローバルな分業体制であり周辺は中核によって直接的・間接的な支配を受けるとともに、その自律的な発展が阻害される 世界システム論では、グローバルに役割が分業されており、その種類は3種類に分けることができます。 現代社会はひとつの構造体をなしていますが、それは長い16世紀に、西ヨーロッパを「中核」、東ヨーロッパとラテンアメリカを「周辺」として成立しました。イベリア半島などが措定された「半周辺」は、両者の中間的な役割を果たします。 <16世紀> ・西ヨーロッパが「中核」 ・イベリア半島などが「半周辺」 ・東ヨーロッパとラテンアメリカが「周辺」 「中核」は、システム全体の経済的剰余の多くを受け取り、「周辺」はその対極にあり、経済的に搾取される構造にあります。 ここでいう分業とは、単に機能的な分業、つまり職種に関するそれだけではなく、地理的な分業をも含んでいる。経済的な役割は、世界システムの全域で均質ではありません。 このような地理的偏在が生じる一つの理由は、生態学的な条件が地域によって違っていることからできています。 しかし、もっと大きな理由は、地域によってそれぞれに固有の社会的労働の組織が成立したことにあります。 つまり、システムの内部で特定の集団が他人の労働を搾取する、つまり剰余の受け取り分を拡大する能力を強め、それを正当化するための組織が生まれるのだが、その差が経済上の役割の地域差をもたらすのである   […]

  • 2022年8月9日

アフリカの歴史(奴隷制度〜ネオコロニアリズムまで)ざっくり全体まとめ

アフリカを知る際に欠かせない歴史 アフリカ大陸出身の友達がおられる方、アフリカに行ってみたい方、アフリカでビジネスをしたい方にとって、アフリカの歴史を知ることは非常に重要です。 彼らの生活の背景を知り、人生を知ることは、彼らを理解する際に重要になるからです。 この記事では、軽く説明していきます。 目次 奴隷時代 植民地時代 ネオコロニアリズム 歴史から見る現在 奴隷時代(15世紀〜19世紀まで) 奴隷制度は、ヨーロッパ諸国により15世紀ごろに開始されました。 ヨーロッパがアフリカ大陸に進出し、黒人を船に大量に詰め込み、アメリカについてから鉱山などで働かせた。船では衛生環境が不十分であり、食事もまともに与えられず、足や手を鎖で繋がれたまま数十日を過ごすこととなりました。そのため、船で3分の1の奴隷は亡くなってしまったといいます。 奴隷を用いて、ヨーロッパ諸国は鉱山やプランテーションなどの資源を活用し、ヨーロッパ自国の利益に変えていった。これは国境を超えた資本主義の始まりと言っても良いでしょう。 アフリカの中では、「ヨーロッパ諸国の産業革命はアフリカの犠牲のもとで成り立っている」という意見があるのも確かです。 奴隷制廃止 1833年にギャリソンらがアメリカ反奴隷制協会を設立し、奴隷解放運動が始まりました。この運動は国論を二分した争いを呼び、その後に南北戦争が勃発します。南では奴隷継続を求め、北では奴隷制度の廃止を主張する大きな紛争となりました。南北戦争最中の1863年にリンカン大統領が奴隷解放宣言を発表し、大きな転換が図られました。 アメリカの奴隷制廃止は南北戦争終結後、1865年のアメリカ合衆国憲法修正13条で正式に奴隷制は廃止されました。 しかし、実質は「ヨーロッパと黒人奴隷」構造での奴隷制は無くなったように見えたが、現地「アメリカの黒人と黒人奴隷」という形での奴隷は残ることとなります。皮肉ですが、奴隷がアメリカで必要とされており、裕福な黒人が黒人奴隷を持つこともあったといいます。奴隷を服従させるために銃の貿易が盛んになったのも事実である。 身体的な搾取 奴隷時代に、アフリカの人々は明らかに身体的に搾取をされ、苦しめられてきた過去がアフリカ大陸出身の人々にはあったということです。 […]